JAXA種子島宇宙センターからH3ロケットを打ち上げよう!

ジオラマで学ぶ

下の写真は、JAXA種子島宇宙センターのジオラマだ。ジオラマの写真の上で、気になるところをタッチしてみよう。場所によって、タッチしたポイントの説明や「考えてみよう!」クイズなどが表示されるよ!
ロケットの打ち上げに必要なことを学ぼう!


(この教材はこのページが最後です。右上の『トップへ戻る』からトップページへ戻るか、このままウィンドウを閉じてください)

ジオラマで機体移動!

VABの扉が開いて、ロケットが射点まで移動するようすをジオラマで見てみよう!

水素ガス配管

ロケットのタックから蒸発した水素ガスを集めてバーポンドに送るための配管です。

考えてみよう!

水素の配管が途中で何か所か曲がって(U字型をして)いるのはなぜだろう?
答えを見る!
ロケットの燃料タンクから蒸発した水素ガス(極低温)を集めてバーンポンド(不要の水素ガスを燃焼させる設備)に送るための配管で、この水素ガスは、かなりの低温なので配管が縮んでしまいます。この為に、縮んでもこの曲がり分で吸収することによって配管が破損しないようにするためです。

大型ロケット発射管制棟
(通称:ブロックハウス)

ブロックハウスは八角形地上1階建て地下2階の鉄筋コンクリート構造です。飛散物等から内部の作業者を保護できるよう防爆気密構造となっています。

考えてみよう!

この建物はなぜこんな八角形の形状をしているのでしょう?
答えを見る!
爆発したロケットの残骸の直撃に耐えるため、この八角形の形状が構造上最も適しているからです。地上部の建物はH2ロケットの管制室に使用されていた部分で、H2A、H2Bの管制室は地下2階にあり、上の建物の延長で地下も八角形の形状をしています。(コンクリートの厚み=1.2m)

避雷鉄塔
(赤白の左右鉄塔)

H2B、H3ロケット打上げ 第2射点(LP2)避雷針の高さ75.5m

地上60メートルを超える高さの建造物には航空障害灯の設置を義務付けています。

考えてみよう!

二つの避雷鉄塔の設置位置が建物の中心から左右対称でなくそれぞれずれているのはなぜだろう?
答えを見る!
H2Aロケットの増強型は当初液体補助ブースター(LRB)を1本乃至は2本付けて打上げられていました。この補助ブースターの数によってロケットの機体への取り付け位置が変わるために、その形態(LRB無し、LRB1本付、LRB2本付それぞれ)の最適位置として今のずれた場所を設定しました。

窒素タンク
(球形タンクと円筒形タンク)

球形タンクと円筒形タンクどちらも窒素を貯蔵しているタンクです。

考えてみよう!

同じ窒素を入れるタンクなのに球形と円筒形の違いはなんだろう?
答えを見る!
最初HⅡロケット用に作られた空調用液体窒素を収納する容量が大きいために、円筒形のタンクだと大きくなりすぎることから、容積の効率が良い球形のタンクとしました。そのあとで、円筒形タンクの方がコストは安いため球形の横に追加設置したものです。

土手

万一、水素タンクが爆発した際の防御のための土手です。
高圧ガス保安法に定めがあります。

VABから射点までの距離

ロケットはVABから出発して射点(打ち上げる場所)までの約500mをだいたい20分かけて移動します。

考えてみよう!

VABと射点の距離はなぜ500m離れているのだろう?
答えを見る!
射点にあるロケットに推進薬を充填した後に何かの原因でロケットが爆発した場合、ファイアーボール(火の玉)ができます。そのファイアーボールの直径は最大500mと見積もられたためです。

プール

1回の打上げで使う水の量はメインエンジンの数や固体補助ブースター(SRB-A)の数によって変わります。
LP1(現在H2Aの打上げで使用している射座)におけるH2Aロケット202タイプ(固体補助ブースター(SRB-A)が2本のタイプ、でいわゆる標準型)では、約200m3、204タイプ(SRB-Aが4本のタイプ)の場合は約300m3です。(標準的な 25mプールの容量は、L=25m、W=16m、H=1.5mで6003となる)(単位m3:立方メートル)
LP2(予定の打上は全て終了しましたが、HTVを打ち上げていたH2B用の射座で、現在H3ロケット用に改修中)におけるH2Bロケットの場合は、約400m3でした。
H3ロケットは、まだ打ち上っていませんが、約300m3を使用する予定です。

考えてみよう!

プールの水は雨が降ったらあふれる危険はないのかな?
答えを見る!
確かにあふれる危険はありますね。種子島は、結構大雨(30mm以上)が降るのですが、排水処理を行っているので今まで射点周りに浸水したことはなく今のところは問題ありません。

カメラ棟

射点近くに作業状況のモニターと打ち上げ時の映像取得のための棟があります。

カメラ棟

射点近くに作業状況のモニターと打ち上げ時の映像取得のための棟があります。

カメラ棟

射点近くに作業状況のモニターと打ち上げ時の映像取得のための棟があります。

バーポンド

これはバーンポンドといって機体の燃料タンク内で発生した水素ガスを(例の曲がった配管で)ここまで移送して、トーチで着火して燃焼させる人工プールです。

機械支援棟(LB)

空調機械や貯蔵所から送られてきたガスの調圧装置などの複数の室で構成されています(ここからアンビリカルを経由して機体にガスや空調が供給される)。
左の管は、上記と同じガスや空調を第2射点に供給するための管です。

薬剤中和処理タンク

この貯蔵庫の中には打ち上げ後に沿道にたまった水を中和処理するための薬剤が入っています。
そしてこの薬剤で中和処理された水をためているプールです。
この水が無害化されているかを確認してから最終的に海に流します。

高圧ガス貯蔵供給所

高圧のヘリウムガス、窒素ガスの貯気槽が設置されています(上半分)。下半分には、ヘリウムガスコンプレッサーが2基設置されており、ローリーで持ち込まれた「液体ヘリウムを高圧(420気圧)にして、上記貯気槽に充填しています。

補充用燃料貯蔵タンク

液体窒素熱交換器用の液体窒素を貯蔵しておくタンクです。

高圧ガス貯蔵供給所

高圧のヘリウムガス、窒素ガスの貯気槽が設置されています(上半分)。下半分には、ヘリウムガスコンプレッサーが2基設置されており、ローリーで持ち込まれた「液体ヘリウムを高圧(420気圧)にして、上記貯気槽に充填しています。

熱交換器

球形タンク内にある液体窒素をガス化してロケット機体に供給します。

避雷鉄塔
(赤白の左右鉄塔)

H2ロケット打上げ 第1射点(LP1)避雷鉄塔の高さ74.5m

地上60メートルを超える高さの建造物には航空障害灯の設置を義務付けています。

考えてみよう!

避雷鉄塔はなぜ赤と白なんだろう?
答えを見る!
これは航空法によって決められていて地上60メートルを超える高さの建造物には、赤白に塗装された昼間障害標識の設置が義務付けられています。

大型ロケット組立棟(VAB)

大型ロケット組立棟棟(Vehicle Assembly Building; VAB)は、2機のロケットを同時に組み立て・整備できる施設です。
その扉も大きく、2枚のスライド式ドアで、1枚が、高さ67.46m、幅26.95m、厚さ2.5m、重さ400tもあり、2005年5月19日「世界最大の引き戸」としてギネス ワールド レコードに認定されています。


大型ロケット組立棟の「世界最大の引き戸」
ギネス ワールド レコードの認定証
写真提供:川崎重工業株式会社

液化水素タンク

一般的には円筒形タンクの方がコストは安いのですが、水素のようにタンクへの入熱を極端に抑えたい場合は、表面積の少ない球形を選択します。

空調機械室

ブロックハウス内の冷房や暖房の空調システム室です。

液体酸素タンク

液体ロケットの推進剤は、一般的に燃料(液体水素など)と酸化剤(液体酸素など)が別々のタンクに入れられ、それぞれ燃焼室に送られます。
H-IIAロケットのLE-5BやLE-7Aといったロケットエンジンでは、酸化剤に液体酸素(LOX)、燃料として液体水素を組み合わせた「水素推進系」を使っています。

射場で働く人々

ロケットの機体移動では、会社ごとに役割が決められていて、お互い協力しながらロケットを安全に発射台まで移動させます。この機体移動に係わる人員数について、H2A 44号機の時は総勢約200人でした。

射場で働く人々

ロケットの機体移動では、会社ごとに役割が決められていて、お互い協力しながらロケットを安全に発射台まで移動させます。この機体移動に係わる人員数について、H2A 44号機の時は総勢約200人でした。

ジオラマで機体移動!